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動画制作の見積もりは何にお金が...

  • コラム

著者:庄司 優 公開日:2026/1/30 09:31

動画制作の見積もりは何にお金がかかる?内訳4項目と「高い・安い」の理由を担当者向けに解説

まずは動画で概要


この記事の結論

映像制作の見積もりは、ざっくり言うと 4つに分けて考えると理解が早いです。

  • ディレクション費(進行・管理・品質の責任)

  • 企画構成費(設計・台本・段取り)

  • 撮影費(当日の人員と機材)

  • 編集費(編集・テロップ・音・仕上げ)

そして多くの企業案件では、費用の中心は 機材ではなく人件費です。
ざっくり 8〜9割が人件費 という感覚でOKです。

見積もり金額の差は「ぼったくり」ではなく、主に

  • かかる時間(工数)

  • 関わる人数(体制)

  • 人の単価(スキル・役割)

  • 会社の経費や利益の乗せ方

で生まれます。


そもそも「映像制作の見積もり」が分かりにくい理由

企業動画は、完成品が“モノ”として残る商品ではなく、
成果物が形になりにくい 無形商材です。

だから担当者の立場だと、

「結局、どこにお金がかかってるの?」
「なんで会社によってこんなに差があるの?」

となりやすい。

ここを理解するだけで、見積もり比較の精度が一気に上がります。


見積もりの基本構造は「4分割」で見ると分かりやすい

ここから、4つをそれぞれ「何をしている費用か」「どこで増えるか」で整理します。


1)ディレクション費:いわゆる“プロジェクトの責任者コスト”

ディレクション費は、簡単に言うと

制作全体を前に進めて、品質の責任を持つ人の費用です。

含まれることが多い業務は、例えばこんなものです。

  • ヒアリング(目的・ターゲット・ゴール整理)

  • 全体スケジュール管理

  • 社内外の調整(担当者・出演者・現場)

  • 進行管理(素材回収・確認・修正)

  • 企画・構成の方向性の最終判断

  • 撮影当日の現場判断(段取り・演出・トラブル対応)

  • 編集の品質チェック(トーン・整合性・ミス防止)

ポイントはここです。

ディレクション費が薄い案件ほど、手戻りコストが後から増えやすい。
(進行の混乱、判断遅れ、修正増、撮り直し など)


2)企画構成費:完成の“設計図”を作るコスト

「企画構成費」は、撮影前にやることの集合体です。

例)

  • 構成案(どの順番で何を伝えるか)

  • 台本・質問設計(インタビューなら特に重要)

  • 香盤・撮影段取り(何時に何を撮るか)

  • 画のイメージ共有(参考動画やトーン整理)

  • ロケハン(必要なら)

  • 出演者・現場の準備(服装・位置・導線)

  • 伝える内容の取捨選択(何を削るかの判断)

ここが増える条件は分かりやすいです。

  • 目的が複雑(採用+営業+ブランディング全部やりたい等)

  • 登場人物が多い(部署が複数、現場が複数)

  • 社内調整が必要(承認者が多い、確認工程が長い)

  • 表現に制約がある(守秘・規制・撮影NGが多い)

逆に言うと、担当者側が

  • 目的(何のために)

  • ターゲット(誰に)

  • ゴール(どう動いてほしいか)

  • NG(映せないもの)

を整理できていると、企画構成の工数が減ってスムーズです。


3)撮影費:当日の人数×時間がほぼ全て

企業動画の撮影費は、イメージよりもシンプルです。

  • 撮影が何時間か

  • 何人が現場に入るか

ここで決まります。

例えば同じ「撮影1日」でも、

  • 1人(カメラ兼ディレクション)で回す

  • 2人(カメラ+音/カメラ+アシ)で回す

  • 3人(複数カメラ+音+照明)で回す

で、当然金額が変わります。

撮影費が増えやすい条件はこんな時です。

  • インタビューが複数名(段取りが増える)

  • 撮影場所が複数(移動が増える)

  • 画作りにこだわる(照明、複数カメラ)

  • 1日で撮り切りたい(人員増で圧縮する)

担当者向けに一言でまとめるなら、

撮影費=「当日の体制と時間」
です。


4)編集費:ここが一番ブレる(=見積もり差の原因になりやすい)

編集費は、見積もりの中で最も差が出やすい項目です。
理由は単純で、編集は「人がかける時間」が成果を大きく左右するからです。

編集費に含まれやすい作業は、例えばこんな感じです。

  • カット編集(素材を並べて整える)

  • テロップ(量・デザイン・アニメーション)

  • BGM/効果音

  • 色味調整(カラー)

  • ノイズ処理(音)

  • 図解・簡単なモーション

  • サムネ・書き出し設定

  • 修正対応(回数・範囲)

編集費が増える典型はこのあたり。

  • テロップが多い(字幕に近い量)

  • デザインにこだわる(テンプレではなく作り込み)

  • CG/グラフィックが多い

  • 修正回数が多い前提

  • ナレーション収録や整音がある

逆に言うと、編集は「どこまで作り込むか」を先に合意できると、見積もりが一気に分かりやすくなります。


「費用の8〜9割は人件費」ってどういうこと?

企業動画の場合、映画のように

  • 大規模な照明

  • 特殊な機材

  • 大人数の撮影隊

が毎回必要なわけではありません。

だから多くの案件では、

機材費より、誰が・何時間動くか(工数)が中心になります。

そして工数の考え方はざっくりこうです。

  • 撮影:何時間 × 何人

  • 編集:何時間(仕上げの密度で変動)

  • 企画:何時間(調整の難易度で変動)

  • 進行:何時間(確認・修正・管理で変動)

「時間がかかるほど高い」というより、正確には

必要な品質と成果に対して、必要な時間が増える
というイメージです。


会社ごとに高い・安いのはなぜ?

見積もりの差は、主にこの3階層で生まれます。

要因1:原価(工数×単価)が違う

同じ20時間でも、

  • 時給(単価)1,000円の人

  • 時給(単価)5,000円の人

では、当たり前に差が出ます。

単価の違いは、スキルだけでなく

  • 役割(編集者/ディレクター/プロデューサー等)

  • 経験値

  • 責任範囲

でも変わります。

要因2:会社の経費が違う

オフィス維持費、固定人件費、管理コストなど、会社ごとに違います。

要因3:利益・獲得コストが違う

広告宣伝費、営業人件費など、「受注するまでの費用」をどの程度乗せるかでも差が出ます。

検索上位に出てくる会社ほど、広告投資をしている場合があり、
その分のコストが価格に含まれることもあります。

ここで大事なのは、

高い=安心、安い=危険、とは一概に言えない
ということです。


見積もりを比較する時、担当者が見るべきポイント

ここ、めちゃくちゃ重要です。
金額だけ見ると判断を誤りやすい。

比較のコツは「何が含まれているか」を揃えることです。

1)見積もりの“前提”を揃える

  • 何分の動画か(尺)

  • 何本か(本数)

  • 撮影は何日か

  • 撮影場所はいくつか

  • インタビュー人数

  • テロップ量(少/中/多)

  • 修正回数の上限

ここが曖昧だと、同じ商品を比べていません。

2)編集の密度を揃える

「編集費」が同じでも、中身が全然違います。

  • 最低限の整え

  • テロップ多めで情報整理

  • グラフィック多めで作り込み

どれなのかを言語化して揃えるのがポイントです。

3)誰が何を担当するかを見る

  • ディレクターは入る?入らない?

  • 撮影は何人体制?

  • 編集は誰がやる?外注?社内?

  • 進行管理は誰が持つ?

ここを比較すると、値段の理由が見えやすいです。


見積もりを取るときに聞くべき「質問テンプレ」

複数社から見積もりを取るなら、これをそのまま投げるだけでOKです。


【見積もりの前提確認】
・動画の想定尺/本数はこの前提で合っていますか?
・撮影日数/撮影時間の想定は?
・撮影場所が複数の場合、費用の増え方は?

【体制】
・当日の撮影体制は何名ですか?(役割も)
・ディレクター/プロデューサーは入りますか?
・編集は誰が担当しますか?(社内/外注)

【編集の密度】
・テロップ量はどの想定ですか?
・BGM/効果音/色味調整/整音は含まれますか?
・簡単な図解(テキストアニメーション)は含まれますか?

【修正】
・修正回数の上限は?(どの工程で何回まで?)
・追加修正の単価は?(目安でOK)

【納品】
・納品形式(データ/YouTube用/SNS用)
・サムネ作成は含まれますか?

【その他】
・交通費/車両費は別ですか?込みですか?
・撮り直しになりやすい条件(NG後出し等)はありますか?


この質問をして、ちゃんと答えが返ってくる会社は、
進行も丁寧なことが多いです。


よくある追加項目:交通費・車両費は「別立て」になりやすい

見積もりの4分割に加えて、追加されやすいのが

  • 交通費

  • 車両費(機材車/駐車場等)

です。

特に撮影場所が遠い、複数拠点、機材が多い場合は、ここが出やすいです。


「まず何社か見積もりを取る」はアリ。ただし、最後は“打ち合わせ”で決める

見積もりは比較の入口として有効です。
でも最終判断は、金額だけで決めないほうが安全です。

おすすめはこの流れ。

1)2〜3社で見積もりを取る
2)軽い打ち合わせをする(30分でもOK)
3)前提・体制・進め方の相性を見る
4)総合判断で決める

企業担当者の立場だと「稟議」「説明責任」があると思います。
その意味でも、価格の理由が説明できる状態にしておくと強いです。


FAQ

Q. 見積もりが高い会社は、品質が必ず高い?

必ずしもそうではありません。体制・工数・経費・利益の乗せ方で価格差が出ます。比較は「前提」と「含まれる範囲」を揃えるのが先です。

Q. 安い見積もりは危険?

危険とは限りません。ただし、ディレクションや進行管理が薄いと手戻りが増えやすいので、体制・修正範囲・前提条件を確認しましょう。

Q. どこまで細かい見積もりを出してもらうべき?

細かすぎても分かりにくいことがあります。まずは「4分割+追加(交通費など)」が理解しやすく、比較もしやすいです。

Q. 機材費が少ないのは大丈夫?

企業動画では機材費がメインにならないことが多いです。重要なのは「誰が」「どれだけの時間」関わるか(体制と工数)です。


まとめ:見積もりは「内訳」と「前提」が分かれば判断できる

  • 見積もりは基本「ディレクション/企画構成/撮影/編集」の4つ

  • 企業案件は費用の中心が人件費(工数×体制)

  • 価格差は原価だけでなく、経費・利益・獲得コストでも生まれる

  • 比較は「前提」を揃え、「含まれる範囲」を確認する

  • 最後は打ち合わせで相性を見て総合判断


さいごに

見積もりの見方が分かると、発注は一気に楽になります。
トラストスタジオでは、企画が固まっていない段階でも、見積もりの前提整理から一緒に進めます。

  • まずは状況を整理したい → 【お問い合わせ】

  • 予算感だけ先に知りたい → 【見積もりシミュレーション】

この記事の著者

庄司 優

株式会社トラストスタジオ代表取締役。動画プロデューサー・ディレクター。採用動画や企業のYouTube活用に関する情報を発信中。

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