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  • 企画・構成

著者:庄司 優 公開日:2026/8/3 23:00

企業インタビュー動画の質問設計|自然な言葉を引き出す準備と進め方

企業インタビュー動画の質問は、話してほしい答えをそのまま尋ねるのではなく、具体的な経験を順番に思い出せるよう設計します。「会社の魅力は何ですか」だけでは抽象的な回答になりやすいため、場面、行動、判断、変化を聞く質問へ分解することがポイントです。

本記事では、社員、顧客、経営者へのインタビューで自然な言葉を引き出すための準備と、撮影当日の進め方を解説します。

質問を作る前に決める3つのこと

動画を見た人に何を理解してほしいか

企業姿勢、仕事内容、導入効果など、視聴後に残したい理解を一文にします。質問数を増やす前に、動画の中心となるメッセージを決めます。

誰の経験が根拠になるか

役職の高さではなく、視聴者の疑問に具体的な経験で答えられる人を選びます。複数人に同じ内容を聞くより、役割を分けると構成が明確になります。

どの場面と組み合わせるか

発言を裏付ける仕事風景、商品、顧客との接点を先に想定します。インタビューだけで説明しきろうとすると、言葉が長くなりがちです。

自然な回答を引き出す質問の順番

  1. 緊張をほぐす事実確認から始める

  2. 出来事が起きた背景を聞く

  3. そのとき取った行動を聞く

  4. 判断の理由を聞く

  5. 結果と変化を聞く

  6. これからの展望を聞く

たとえば「仕事のやりがいは何ですか」ではなく、「最近、手応えを感じた仕事は何ですか」「その場面でどのような工夫をしましたか」「相手の反応はどう変わりましたか」と聞くと、映像で使える具体的な言葉が生まれやすくなります。

対象別の質問例

対象

質問例

社員

入社前後で印象が変わったことは何ですか

経営者

現在の方針を決めた具体的な出来事は何ですか

顧客

導入前に困っていたことと、導入後の変化は何ですか

現場担当者

品質を守るために日々判断していることは何ですか

事前共有は「質問」より「テーマ」

回答を一字一句準備してもらうと、読み上げる話し方になりやすくなります。出演者には質問全文ではなく、話してほしいテーマ、想定時間、視聴者、避けたい情報を共有します。固有名詞や数値など正確さが必要な箇所だけ資料で確認します。

撮影当日の聞き方

  • 質問を短くし、一度に一つだけ聞く

  • 回答の途中で次の質問を考えすぎない

  • 抽象的な言葉が出たら具体例を聞く

  • 良い発言の直後に同じ内容を短く言い直してもらう

  • 誘導せず、本人の表現を尊重する

  • 編集でつなげやすいよう主語を含めて答えてもらう

社内確認で注意すること

発言の自然さを残しながら、事実、機密情報、個人情報、ブランド表現を確認します。言い回しを整えすぎると本人らしさが失われるため、必須修正と好みの修正を分けます。全体構成は会社紹介動画の構成の作り方も参考になります。

質問設計チェックリスト

  • 視聴者に残したい理解を一文にした

  • 出演者ごとの役割を分けた

  • 抽象的な質問を経験に分解した

  • 事実確認と意見を聞く質問を分けた

  • 発言を裏付ける撮影場面を決めた

  • 出演者へテーマと注意事項を共有した

質問票を「本番で読む台本」にしない

質問票は、撮影の流れを整えるための設計図です。本番で一字一句読み上げると、会話が途切れ、回答も準備された説明になりやすくなります。質問ごとに「この質問で得たい情報」と「深掘りの候補」を書き、相手の回答に合わせて順番や表現を変えられる状態にします。

一つのテーマを三段階で深掘りする

  1. 事実を聞く:「そのとき、どのような状況でしたか」

  2. 判断を聞く:「なぜ、その方法を選んだのですか」

  3. 変化を聞く:「実行した結果、何が変わりましたか」

この順序なら、抽象的な感想だけで終わらず、視聴者が状況を想像できる具体的な回答を得やすくなります。数字や固有名詞が重要な場合は、撮影前に事実確認用の資料を用意します。

回答しやすい撮影環境をつくる

良い質問を準備しても、出演者が緊張していれば自然な言葉は出にくくなります。撮影前に雑談の時間を設け、カメラの位置、視線、回答の長さ、言い直してよいことを説明します。「失敗せず話す場」ではなく「会話の中から使える言葉を見つける場」と伝えることが大切です。

  • 最初は答えやすい経歴や担当業務から始める

  • 専門用語が出たら、初めて聞く人向けの言い換えをお願いする

  • 長い回答は、要点を一つに絞ってもう一度話してもらう

  • 感情が動いた場面では、何が印象に残ったかを深掘りする

  • 回答を遮らず、数秒待ってから次の質問へ進む

編集で使いやすい回答を得るための工夫

インタビュー映像では、質問者の声を使わず回答だけをつなぐことがあります。そのため、「はい」「そうですね」だけで始めず、質問の内容を含めて答えてもらうと編集しやすくなります。たとえば「導入後はどう変わりましたか」という質問なら、「導入後は確認時間が短くなりました」のように主語と変化を含めてもらいます。

一方で、言い直しを求めすぎると本人らしさが失われます。意味が伝わる発言は残し、事実誤認、機密情報、第三者への配慮が必要な箇所を中心に確認します。撮影後は、使用予定の発言と前後関係を社内で確認し、切り取りによる誤解を防ぎます。

まとめ

インタビュー動画の質問設計では、きれいな答えを用意するより、出演者が経験を具体的に思い出せる順番を作ることが重要です。背景、行動、判断、変化を聞き、映像と組み合わせることで、その人にしか語れない内容になります。

よくある質問

質問は何問くらい用意すればよいですか?

本数より優先順位が重要です。中心となる質問を五〜八問程度に絞り、深掘り用の補助質問を用意します。

回答原稿は作らないほうがよいですか?

正確さが必要な固有名詞や数値は準備し、それ以外は要点だけ共有する方法が適しています。全文原稿は自然な話し方を妨げる場合があります。

話が長くなった場合はどうしますか?

一度最後まで聞いた後、「今の内容を一文で言うとどうなりますか」と短い回答をお願いすると、編集で使いやすくなります。

この記事の著者

庄司 優

株式会社トラストスタジオ代表取締役。映像ディレクター。採用動画や企業のYouTube活用に関する情報を発信中。

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